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4ヶ月間の無職生活を振り返る

ことの経緯

家族の都合でアイルランドに移住することになり、私もアイルランドで転職先を見つけたのですが、労働ビザの申請は開始日の3ヶ月前、つまり申請してから勤務開始できるまで3ヶ月待たないといけないため、有休消化を開始した4月下旬から8月上旬まで働けない状況に陥りました。

3ヶ月と書いてあるのに、なんで4ヶ月も休んでいたのかというと、上記の仕組みを知らなかったことから、採用のきまった4月中旬から5月下旬までをリクルーターとのらりくらりとしたやりとりで浪費してしまい、ビザサポート企業との連携開始が遅れたからです。

自分が仕組みをもっとちゃんと理解していれば避けられた事態だったので、4ヶ月の休みに後悔はありませんが、今後別の国に移住する際には気をつけて行きたいです。

休みに何をしていたのか

箇条書きで書くと、ざっと以下のようなことをこの4ヶ月はしていました。

  • ほぼ毎日の英会話
  • ディズニーシーの新エリア開拓
  • シンガポール旅行
  • 物件の売却
  • 物件の清掃
  • 日本での行政処理[1](ビザの申請、税金の支払いや委任処理、国際免許への変更、年金の切り替え)
  • 夫の見送り
  • 住む場所がなくなったので、実家への帰省(+転入届、転出届、住所が係る年金系はやり直し…)
  • 日本の行政処理[2] (年金の切り替え、健康保険の切り替え、銀行口座の整理、証券の整理))
  • 国外への段ボール郵送手続き
  • 旭川旅行
  • 父島旅行
  • 編み物(ぬいぐるみ4体、帽子1つ、マフラー1つ)
  • アイルランドへの渡航
  • 気が向いたときの勉強
  • アイルランドでの行政処理系(住民カードの申請、納税者番号の発行)
  • 気が向いたときの読書

自分の気のむくままに生活していたので、圧倒的成長はできていないのですが、今までやりたくてできていなかったことは概ねできて満足しています。

編み物でかぎ針編みはかなり自由自在に操れるのですが、棒針編みに苦手意識がありました。お休みの期間中にそちらもマスターできた気がします。

デスク横のぬいぐるみ

また、働いているときはあんまり本を読めておらず、ことビジネス書においては気になるものがあっても読むのがめんどくさいからまとめサイトやyoutubeを探しにいくという真似をしていたので、じっくり読む時間を取れたのはすごくいい経験でした。

といっても「ジョブ理論」1冊しか読んでいないので、ビジネス書読みました!と高らかに言える感じではないのですが。この本は、働く時の物事の捉え方にすごく役立ちそうで読んでよかったです!

そして働いている時はあまり本を読めていなかったと書きましたが、思い返すと昨年は「三体」の小説(5冊)を読破したり、過去に読んだ小説(川上未映子先生の「きみは赤ちゃん」)を読み返したりしていたので、細々と本は普通に読んでました。

全く関係ないですが、このお休み期間中に「佐倉綾音 論理×ロンリー」( #佐倉論理 )にどハマりして、毎週楽しみに聞いています。高校生の時に「矢作×佐倉のちょっとお時間よろしいですか」(#ちょろい)のヘビーリスナーだったので、佐倉さんの変わったけど変わらない姿にほっこりしました。

佐倉綾音 論理×ロンリー

まだ終わっていないものもありますが、とにかく事務作業がめんどくさかったです。生まれ育った国を離れ、移民として生きていくのは大変なことだなと実感しました。まだ期間は短いですが、当事者になることで移民への解像度はかなり上がった気がします。

勉強について

本当に気が向いた時にしか勉強できていないのですが、以下のことをゆるゆるやっていました。

  • Linux Forensics
  • Git
  • AWS Fundamentals
  • TryHackMe (すごく簡単なマシンの攻略)
  • ブログ構築

本当は何か資格を取りたいなと思っていたのですが、結局自分が今まで苦手としていて理解する努力を怠っていた分野に向き合う期間になりました。

Linux, Git, AWS はずっと前から基礎知識くらいはわかっていないといけないと思いつつも目を背けていたのですが、さすがに新しく仕事を始めるにあたってこれがわかっていないのは許されないと思い取り組みました。(かねてより家内からはやるべきと指摘されていました😅)

結局自分がやだなあと思って逃げたことって、いつかは向き合わないといけないので、わからないなあ、やだなあと思ったことは積極的に学びに行った方がいいんだなと痛感しました。

あとは、できる限り平日は毎日英会話をするようにしていました。上手くなるため、というよりは、これ以上下手になってしまわないように、の気持ちが強かったです。腹から声出すように頑張ってます。文法もどうにかしたいです。

気持ちの変化

最初は4ヶ月も仕事をしないなんて、大丈夫なんだろうか。自分は人の形をしたゴミになってしまうのではないか、といろいろ不安に思っていましたが。終わってみて、この4ヶ月をかなりポジティブに捉えることができています。

今後自分の人生で長期間仕事から離れることはあるかもしれないですが、それは家族が増えたり、大切な人を失ったり、体調を崩してしまったり、そんないろんなことを背負いながらの休みになるような気がなんとなくしています。なので、マルチタスクを抱えずに、ただ何もしないで休むという機会が得られたのはラッキーだったなと思いました。

ビザの申請のゴタゴタで住む家を失い、いい年して予期せず実家に帰る事態になりましたが、それもいい経験になりました。学生時代に通い詰めていた図書館や、塾の往復の道、地元のショッピングモールを平日の昼間にぶらぶらして、過去の自分と現在の自分を照らし合わせて、遠いのに近いような不思議な感覚になりました。

実家のご飯

友達が出展しているCOMITIAに行ったりもしました。ふと中学生の時に夏コミに行った時のことを思い出して、今までハマってきたものたちや、それに費やした時間は生産性がないものだけれど、私にとっては必要な時間で、価値ある思い出だなと。 東京ビッグサイトのホール内で雲ができちゃうくらいの真夏日のコミケ、今後の人生で行くことはないんだろうなあ。

父が東京ビッグサイトまで車で送ってくれ、その時に車窓から見たシティタワーズ東京ベイ

価値観の変化は特にありませんでしたが、自分はこういう場所や、思い出がある人間なんだなーとしみじみできること自体が贅沢な時間だったなと思います。

両親の老いを感じた瞬間は多くありましたが、健康に暮らしていてくれてありがたいです。

今年に入って立て続けに祖父母が他界してしまい、人は生まれいつか死ぬんだなということを身に迫って理解しました。いつか死ぬというわかりきっている人生の前提を改めて考えると、自分が得たものは溜め込むのではなく、新たな体験のためや、誰かのために使ったりするのが1番いいなと当然のことを思いました。

また、いつか自分に新しい家族が増えたとして、その子らもいつかは自分たちと同じように大切な人を見つけ、別の世界で生きていくのだと思うと、改めて今いるパートナーや友人という自分と生きる時代を共にする人たちを大切にしていきたいなと思いました。

アイルランドで生活してみて

物質的な豊かさと精神的な豊かさは全く異なるなと思いました。

近くにコンビニがない、バスや電車の本数が少ない、郵便や頼んだ荷物が届くのには1週間はかかる。近くに簡単に遊べる施設(要するに映画館やテーマパーク、水族館など)がないといった点では、日本に比べ劣っていると感じます。

ですが、気候が快適であること、街がすごく空いていること、近くに自然があること、ターゲティング広告を目にしなくて済むことなどはいい点だなと思います。

日本の中でも特に東京はどこに行くにも人が本当に多くて、自分は気にならないつもりだったのですが、全く混んでない道や土地に住んでみると、すごく快適でびっくりしました。

それに加え、開発があまり進んでいないことから自然が多く残されており、気候が快適なのも加わって、歩くのが楽しいです。ただ、通り雨が多いので、気張った格好とかオシャレはしにくい感じです。

よく晴れた日のこと

また、EUの規制の影響なのか広告に利用してもいい顧客情報が制限されているようで、YoutubeやWebsiteで自己啓発、脱毛、性産業系、不安や怒りを掻き立てる系のターゲティング広告を目にしなくて済むところはかなり気に入ってます。

ただ、今住んでいる地域がアイルランドの中でそこそこ地価の高い地域にあたるため、地価の高騰からやむなく移り住んだ人が集まっている地域でどうであるかはわからないです。 アイルランドの地価高騰問題は深刻で、移民を乗せた船を頂上にあしらったキャンプファイヤーが燃やされるくらいには苛立ちが募っている状況です。

ファイヤー!!!

外食へのアクセスがあまりよくない&高いので、もっぱら自炊しています。私が日本でいいお肉をあまり食べていなかったというのもありますが、肉が日本より美味しい気がします。

毎朝お気に入りのベーカリーにパン1つを買いに1.5時間かけて往復するということをしていたのですが、さすがに飽きてきました。仕事も始まるのでちょうど良さそうです。

最後に

先週から働き出しており、できないこととわからないことばかりでとにかく苦しい日々ですが、1日1日を積み重ねて、なんとかチームに貢献できる状態を目指していきます。

次は働き出して1週間目に感じたことを投稿します!